積極的不登校って?

子供たちが自分の意思で「学校へ行かない」ことを選択している状態を”積極的不登校”と呼んでいます。理由は様々ですが、学校の画一的な教育が合わなかったり、担任の先生の高圧的な指導が苦手だったり。

学ぶモチベーションが内発的動機付けタイプ、つまり自分の好きなことに夢中になってしまうタイプの子供たちが自己肯定感を傷づけられてしまったために、積極的に不登校を選択する家族が増えてきています。

なぜ積極的不登校を選んだの?

子供が「行きたくない」と手を挙げた

得意なことを否定されたり、他人と同じことを強いられたり、やりたいことができないなどの理由で、自己肯定感が下がった結果、学校が楽しくなくなってしまい「お腹が痛い」「行きたくない」「学校を休みたい」と子供自身が意思を表明。

先生が子供と向き合えていない

先生は子供にとって家の外ではじめて出会う大人。その先生が子供に対して不誠実であれば、純粋な子供たちは敏感に察知します。先生に対して「言っていることがおかしい」「理由が分からないまま怒られた」と不信感や孤立感を感じて元気を喪失。

学校が正しいとは限らない?

子供が不登校になると親が学校に呼ばれる機会が増えてきます。学校や先生とやりとりをしていく中で、親自身も「現状を受け止めようとしない学校に、子供をこのまま預けておいて本当に大丈夫かな?」という不安がだんだん強くなっていく。

積極的不登校にはどんなケースがあるの?

積極的不登校を選んだ子供たちに起きたことを参考として、4つのケースを紹介します。

ケース1 高圧的な指導が苦手

きっかけは運動会の練習。年配の先生が朝礼台に立ち、行進や体操などマイクでの”熱い”指示がグランドに響く中、全員が揃うまで続ける指導に心が折れている様子でした

軍隊のような同調圧力を高める指導に、親も「今は令和だけど大丈夫?」と違和感を持ちました。

運動会当日、学校の不手際もあり子供が熱中症に。復調しても「学校にはいきたくない」と手を挙げました。それまでも、先生の高圧的な指導が原因で朝起きてこなかったり、「お腹が痛い」と不調を訴えて「休みたい」と言っていましたが、連れ添って学校に行かせていました。

今から思えば、もっと早くに子供の話を聞き入れて学校に行かないことを選べていれば「学ぶことそのものに苦手意識を持たずに済んだのでは」と後悔しています。

ケース2 理不尽な指導に不信感を

きっかけは給食。コロナ禍になる前から、全員前を向いて私語禁止で給食を食べていました。

疑問に思った親が先生に理由を聞くと「喉を詰まらせて死んではいけないから」との返答が。結論ありきの極論で教育者とは思えない発言に親もビックリ。

子供が苦手な食べ物や美味しくない料理を残した時も、休み時間になっても食べるまで解放してもらえず、泣いて訴える同級生に理不尽な対応をする先生に対して、子供が不信感を抱くようになりました

次第に親以外の大人や他の先生に対しても不信感を抱くように。学校に行かなくなった後も、人前で自分の意見を言えるようになるまでに2年ほどの歳月がかかりました。

ケース3 自己肯定感を下げるみんな一緒な価値観

きっかけは学習障害。軽度のディスレクシア(読字障害)があるのですが、他の先進国に比べると日本は対応が遅れておりサポートが整っていません

実際に担任の先生から「障害の可能性があるから病院に行くように」と告げられたのですが、親もまだ理解ができていない状況で、しかも子供がいる前で告げられたため、本人もショックを受けて病院に行きたがらない事態に。転校するも次第に勉強についていけなくなり、「勉強が面白くない」と苦手意識を持つようになりました。

一方で、空間的な認知能力が高く、マイクラ(ゲームMinecraft)が得意。親も驚くような創造性の高い作品をつくります。マイクラであれば、友達に教えたり、オリジナル新聞を制作したりと、苦手なことにもチャレンジしています。

人間関係は良好で、学校に行かなくなっても友達とはよく遊んでいるのですが、「学校に行けていないこと」=「自分はダメな人間」だと感じている様子で、落ち込んだ時は「死にたい」と言ってくることがあります。

ケース4 自分のペースで学べない学習環境

きっかけは一斉学習こだわりが強く、興味関心があることなら、どんどん探求したいオタク気質です。

一方で、学習進度が遅い子に合わせる一斉学習や、やりたくないことを強制されることが苦手。物事を論理的にきっちりと進めたがるタイプなので、納得できないことは納得できるまで先生に質問したり、みんなの前で先生の間違いを指摘したりするため、担任の先生から嫌われてしまうことも。

「学校に行っても面白くない」「やる意味が分からない」といい始めた時は「社会はそういうところだから」と無理やり学校に連れて行ったのですが、泣き叫んで抵抗したり、「生きていても意味がない」と言い始めたことをきっかけに親の方が考えを改め、本人のやりたいこを応援することにしました。

今では大好きなマイクラを通じて友達ができ、仲間とマイクラの大会に出場したり、動画を配信したりして親子ともに元気を取り戻している日々です。

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